命の現場からリングへ──元・救命士、現・KRAZYBEE/Noughty House所属プロ格闘家・中野剛貴が選んだ道

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「死に方は選べないけど、生き方は選べる」
そう語るのは、元・東京消防庁の救急救命士であり、現役プロMMAファイター、そして『クラッチ&フロー』代表としてフィットネス事業も展開する中野 剛貴(なかの ごうき)さんだ。

日々、人の“命の終わり”に直面する現場に立ちながら、自らは“夢を生きる”という選択をした中野さん。その生き様は、安定を手放すことにためらいを感じていた私自身の背中を、確かに押してくれた。

「やりたいことは、いつかではなく“今”やる」
この強いメッセージを、格闘技というフィールドを通して社会に伝え続ける彼の姿に、私は心を動かされた一人だ。

今回の記事では、“応援される格闘家”ではなく、“人を応援する格闘家”としての彼の在り方に迫っていく。

プロフィール

  • 2000年8月13日生まれ/三重県名張市出身
  • 元 東京消防庁 救急救命士/現役プロMMAファイター
  • 所属:KRAZYBEE(山本KID主宰)/Noughty House(コクエイマックス主宰)
  • 主戦場:修斗バンタム級(ベルト獲得、RIZIN出場、海外進出が目標)
  • 座右の銘:「Choice is yours」

本気で生きることの尊さを、格闘技で伝える

彼が格闘技に本格的に踏み込んだのは19歳のとき。
大学で救命士の資格を取りながらプロデビューし、その後救急救命士として命と向き合う仕事に従事。
現場では、亡くなる命と向き合うたびに「人は死に方を選べない。でも、生き方は自分で選べる」と実感するようになった。

そして1年で退職を決意し、格闘家としての道に専念する決断を下す。

安定した公務員という立場を手放すのは、決して簡単なことではなかった。人を救う現場に誇りを持ち、「この道を続けていきたい」と思っていた時期もあったという。それでも中野さんは「命の現場で“死”と向き合うたびに、自分が“本当に生きたい人生”を見つめ直すようになった」と振り返る。

「やっぱり“明日がある”って誰にも保証されてない。だったら、いま本気で挑戦したいことに向き合いたいと思った」と語るように、彼の中で「後悔しない人生を選ぶ」という想いが揺るぎないものになっていった。

「応援してくれる人に『私も頑張ろうと思えた』って言われた瞬間が、格闘家として一番うれしいです」

誰かの挑戦の背中を押す存在でありたい──そんな想いが、彼の闘いの原動力になっている。

人を応援する格闘家」として、彼の挑戦は始まったばかりだ。

心を研ぎ澄ます、試合前のルーティン

試合前には瞑想を取り入れ、頭をクリアにして理想の動きをイメージする。
日々のトレーニングもルーティン化し、心と体の波をできるだけつくらないことを意識している。

「挫折はない。うまくいかないときも、冷静に俯瞰して考えるだけ」と語る彼には、感情に振り回されない芯の強さがある。

その思考の深さや集中力は、命の現場での経験が土台になっているのかもしれない。

格闘技で伝える“愛”──KIDさん、そして現コーチ・コクエイマックスから受け継ぐものとは?

「誰かに憧れてこの道を選んだわけではないんです。でも、強く影響を受けた人はいます」

中野剛貴さんが名前を挙げたのは、所属ジム「KRAZYBEE」の創設者・山本“KID”徳郁さん。もう一人は、現在の師であり、国内MMA界でも存在感を放つコーチ・コクエイマックス氏だった。

「KIDさんの“人としての愛”には、本当に影響を受けました。格闘家としてというより、人間としてかっこいいと思える姿勢があったんです」

そして現在、彼にとって大きな導き手となっているのが、ファイトチーム「Naughty House」の主宰者・コクエイマックス氏だ。

長身で知的、関西弁を操る異色のヨーロピアンコーチ。30代から格闘技を始め、異例のスピードでブラジリアン柔術黒帯を取得。理論に基づく高いファイトIQと分析力、そしてなにより選手一人ひとりを深く想う愛情で、多くのトップ選手から厚い信頼を集めている。

「コーチは“完全理論派”でありながら、愛にあふれた人。格闘技においても、まず徹底的に分析して理解し、それを自らトレーニングで落とし込んで、選手に伝えるんです。僕にとって、“思考して人生を切り拓く”という在り方を体現している存在です」

格闘技は、ただ強さを競い合う世界ではない。
中野さんが信じているのは、「人に夢と希望を与え、愛を届けること」。
それは、KIDさん主宰のKRZYBEEの家族たち、そして現在のコーチであるコクエイマックス氏の背中から学んだ精神であり、いま彼が貫こうとしている“格闘家としての在り方”そのものだ。

「僕の背中を見て、“生きたい人生を選ぼう”と思ってくれる人がいたら嬉しい。僕が受け取ったものを、次に届けていきたいです」

命の現場からリングへ。
尊敬と学び、愛と思考。
二人の“師”から受け継いだものが、今の彼を創っている。

生きる力と挑戦の起点──クラッチ&フローが描くこれから

2024年11月、フィットネス事業『クラッチ&フロー』を設立。
「格闘技×医療の知識」を生かした独自のスタイルで、経営者や個人事業主を中心に50名以上にパーソナルトレーニングを提供している。

理念:「人生を応援する」
人と接する時は、常にリスペクトと感謝を忘れない。
「挑戦したい人、何かに一歩踏み出したい人」にこそ届けたいと考えている。

今後の展開も「事業の種類や形にとらわれず、“人に貢献すること”を軸に展開したい」と語る。

おわりに──あなたにとっての“選択”は?

「いつか」ではなく「今」。
その決断が、人生を大きく変えていくことを、中野さんは体現している。

これから彼は、修斗でのタイトル獲得、RIZINや海外での試合に向けて、さらに前へと進んでいく。
そして、自身が立ち上げた「クラッチ&フロー」を通じて、多くの人の挑戦を支える存在へと広がっていくはずだ。

格闘家として、生き方のメッセンジャーとして──
中野剛貴の物語は、まだ始まったばかりだ。

参考/リンク集

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